boyshな女の子

「……俺はお前に自覚して欲しかっただけだったんだけど」


 

困ったような水城の声音に俯きかけていた顔をあげる。


そこには顔を顰めて何か模索している水城がいた。




「……自覚って、何を？」




涙目になっていたせいか少し声が震えていた。


自分でも分かるのだから、水城もきっと分かっている。


案の定水城の顔は一層険しくなった。


そして何かを話そうとしたのか、口を開いたがすぐに閉じてしまった。




その時、俺の脳内をある思考がよぎった。




━━━━━俺ハ一体何ヲシヨウトシテルンダ…………？




答え：水城の目の前で泣きそうになっている





「━━━━━っっ!!!」





状況に気が付いた瞬間俺の顔は一気に火照った。




俺はなんて恥ずかしいことをやらかしてんだよ。