boyshな女の子




水城はそれに驚くことも無く、ただ首をすくめる。




「いいから落ち着けって。…………あーぁ、さっきまでの幸せが……」




最後の一言はいつもの俺たちの距離では絶対に聞こえないぐらいの音量だった。


しかし、……今の2人は30cmと離れていない。


つまりその呟きは完璧に俺の耳に届いた。




「今のはどういう意味だ!?」


「あ、聞こえた?」


「『聞こえた?』じゃねぇ!!幸せって………何が!?!?」




……………後で思い返せば情けないくらいの取り乱しようだ。


気が動転していたせいというのもあるが、やっぱり酷かったと思う。





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