boyshな女の子





「華鈴……?」




その声でようやく現実に連れ返される。


凪の目から本気で俺のことを心配してくれているのが伝わる。




俺はニカッて笑って凪の頭に手を置いた。




「ちょっとボォーッとしてただけだからそんなに心配すんなって」


「でも………」


「いいからいいから。どうせ寝不足なだけだし、な?」




まだ心配そうな凪の手を引っ張って俺は学校に向かう。




「どうせなら恋人繋ぎ、してみる?」




イタズラっぽい笑みを浮かべて尋ねると、凪は顔を真っ赤にして横に首を振った。




「冗談だよww」








凪が心配しないように、


そして、


心の奥の不安を隠すために、


俺は盛大に笑って見せた。












< 196 / 470 >

この作品をシェア

pagetop