boyshな女の子
「華鈴……?」
その声でようやく現実に連れ返される。
凪の目から本気で俺のことを心配してくれているのが伝わる。
俺はニカッて笑って凪の頭に手を置いた。
「ちょっとボォーッとしてただけだからそんなに心配すんなって」
「でも………」
「いいからいいから。どうせ寝不足なだけだし、な?」
まだ心配そうな凪の手を引っ張って俺は学校に向かう。
「どうせなら恋人繋ぎ、してみる?」
イタズラっぽい笑みを浮かべて尋ねると、凪は顔を真っ赤にして横に首を振った。
「冗談だよww」
凪が心配しないように、
そして、
心の奥の不安を隠すために、
俺は盛大に笑って見せた。