boyshな女の子
「お前、めっちゃ赤いけど……熱でもあんじゃねぇの?」
そう言って、水城は俺のおでこにそっと触れた。
追い打ちかけんじゃねぇよ。
身動きできずに、再びフリーズする。
(何、この定番シチュ!!)
少女漫画の主人公になった覚えは無いのだが。
「熱は無いみたいだな……」
水城は安堵のため息をついてゆっくりと手を離した。
激しかった鼓動が少しだけ収まる。
その瞬間、ホッとする。
と、共にちょっと残念になった。
だけどその感情に俺が気付くことは無かった。