boyshな女の子
優男の正体
「あれっ?」
部活(空手部)終了後、カバンの中を漁りながら疑問の声をあげる。
「……おっかしいな」
「どうかしたのか?」
カバンをひっくり返した俺を見て、空手部主将の槇先輩に聞かれる。
「いやぁ…課題忘れて来てしまったみたいで………ちょっと教室に行って来ます」
「おう、行って来い。 部活ももう終わったしな」
お疲れ様でした!!と入口で礼をして道場の外に出る。
(あーあ、ミスったなぁ……)
暗い校舎は昼のような活気が無く、気味が悪い。
人がいないだけでこんなに変わるとは……。
自分の教室にようやく辿り着きドアに手をかけた瞬間、
「好きなんです!私と付き合ってください!!」
静かな廊下に女の子のそんな声が響いた。