boyshな女の子
そっとドアを開けて中の様子を窺う。
こんな場面に遭遇したことなど今まで一度として無かったので、好奇心が湧いたのだ。
教室の中には髪の長い女の子と隣の席の水城が立っていた。
「……君とは付き合えない。俺昔から好きな奴がいるんだ………」
「……そう、なんだ……」
「ゴメンな…」
「ううん、アリガトね」
そう言うと彼女は笑って教室を出ていった。
見えないように物影に隠れて後ろ姿を見送ってから教室に入った。
ビックリしたような顔をしている水城に近付く。
「好きなやついるんだ~、水城って」
「…聞いてたのかよ」
「おぉ、バッチリ」
ニヤリとしながら言う。