boyshな女の子




「何だよ、急に!?」




それに答えるのは無言の圧力。


いつも屈したくなるような王様のような圧力だが、今日は逃げずに睨みつける。




と、急にそのオーラは消えて、残ったのはニヤリという笑み。




あ、と思った瞬間にはパーカーの前を完全に開けられていた。




「てめ! 何する気だよ!?」


「黒とか、気合い入ってんなぁ」


「人の話は聞け!」




いっそいで、前を閉めようとしたが手を後ろの岩に縫いとめられてしまい、身動き取れない。




「離せってば!」




水城は怒鳴っても一向に離そうとしない。




何も言わずただ、じっと見てくるその視線に耐えきれず、自然と俯く。





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