boyshな女の子
《愁side》
「ゴホッ!ゴホッ……!!」
俺しかいなくなった屋上に激しく咳き込みながら寝そべった。
「これで手加減したつもりなのかよ……?」
さすが空手部のエース。
手加減なのにこれまでの威力があるから驚きだ。
あいつの本気が一体どれ程のものなのか、見たいような………見たくないような……。
「あいつ忘れちまったのかな……あの約束………」
(いや、覚えてないな…あの様子じゃ……………)
約束どころか、俺のことまで忘れちまってるし………。
「何があいつをここまで変えちまったんだ…?」
俺の問いは青い空に吸い込まれていった。