boyshな女の子
2人の距離
《凪side》
「………華鈴そのクマどうしたの…??」
いつもの待ち合わせ場所に行くと、考えるよりも先にその言葉が口から飛び出した。
挨拶するよりも先に気になるほど濃いクマが、華鈴の目の下にあったからだ。
「あぁ………ちょっと寝れなくてさ、寝不足の結果がこれ」
華鈴は自分の顔を指差しながら溜め息をつく。
「悩み事…?」
「そんなとこ……」
声にいつもの覇気が無い。
「ここまで華鈴を悩ませることがあったなんて…」
真顔で呟くと、「どういう意味だよ」と頭を軽く叩かれた。
でも、実際に今までここまで悩んでる華鈴を見たことがない。
(一体、何があったんだろ……)