boyshな女の子
「うまっ!」
「喜んでもらえて嬉しいです」
モグモグと頬張っているとそこに輝が丁度帰ってきた。
「おっ? 矢川の彼女じゃん」
「………その呼び方辞めないか?」
俺は軽く睨みつけながら強張ってしまった香奈ちゃんを抱き寄せる。
香奈ちゃんはあの日からちょこちょこ俺のクラスに顔を出すようになっていた。
毎回持ってきてくれるのは香奈ちゃんお手製のお菓子。
しかも全部美味。
この手土産のおかげで、たった一日でクラスの奴らに馴染んでしまった。
凪とはもう姉妹のように仲がいい。
でもやっぱり男は相変わらず苦手なままで、近くに立たれただけでも身動きできなくなってしまう。