boyshな女の子




「あきら、どうしたの?」


「…………あいつがいた」





コソッと尋ねてきた香奈ちゃんにとりあえず席に着くよう促す。




一瞬どうやって誤魔化そうかと考えて、意味ないから辞めた。





「大丈夫、まだ俺らがここん中にいるって気付いてない」


「ほんと……?」


「ホントだよ」





落ち着けるように柔らかく笑う。




それでやっと香奈ちゃんの強張った肩から力が抜けた。




「それにどうせ今日だって後ろからついてくるぐらいしかやれないだろ」


「そうかな…?」


「まぁ、なるようになんだろ」




不安そうな顔をする香奈ちゃんにもう一度大丈夫だって、と笑いかける。



< 380 / 470 >

この作品をシェア

pagetop