boyshな女の子
ちょっと誰か休ませてくれ。
《水城side》
ピリリリリリ……ピリリリリリ……
数学の授業中に携帯の着信音がどこからか聞こえてくる。
「誰だー? 携帯の電源切ってない奴は??」
教師が没収すんぞーと言いながら見渡すなかこっそり携帯をいじっている奴が一人。
隣にいるあいつだ。
そう…華鈴。
最近華鈴は学校を早退することが多い。
訳は教えないつもりらしく、聞いてもはぐらかされた。
教師は理由を知ってるらしいが、やはり明かすことは無いらしい。
華鈴は今日も早退するようだ。
慌ただしく帰る用意をしたかと思うと勢いよく立ち上がって教室を出て行った。
あいつと最後に話したのはいつだったか……。
なんだかなぁ……。
最近つまんねぇわ。
「水城ー、どうした?」
席から立ち上がった俺に教師が声をかける。
「ちょっと体調悪いんで保健室行ってきます」
「……お前絶対仮病だろ…ってちょい待てやゴルァ!!」
怒鳴り声を俺は普通にシカトして廊下へと俺は出た。
待つとでも思ってんのかね?
そもそも、あんたの説教聞いてたら授業終わっちまうだろーが。
そう独り言ちながら、屋上へと向かった。