boyshな女の子
「あれ紀田ちゃん?」
俺は引きずられているから声の主を見ることはできなかった。
ただ、アニメ声だなとは思った。
「ヨネちゃん、頼むよ」
「はぁーい」
俺は何を頼まれてしまうんだ?
そう思ったら手を離してもらえた。
振り返ってヨネちゃんを見ると、いたのはかーなーり可愛い子。
茶色い髪の毛はボブにされてて全体的にフワッとした感じの女の子。
「うわ〜、近くで見るとスッゴイカッコいいね…斎川くんって」
おんなじ女の子とは思えない。
と呟かれて、俺もそう思うと返した。
「じゃあ…これに着替えてね」
そう言われて渡されたのは、男物の服。
俺が着てるのに結構似てると思う。
「え…ヨネちゃん?」
戸惑ってる間に靴も渡される。
「時間無いんだから、早く着替えてね〜」
グイグイと背中を押され、押し込められたのは小さな部屋だった。
なんかこんな展開前にもあった気が…。
デジャヴュ…!とか思いながら着替えて外に出ると目の前に紀田が立っていた。