boyshな女の子
「おー、弟が一番衣装気合入ってんな〜」
「龍さん、おはようございます」
この人がいつも俺が着てるレッドの主、龍だ。
「俺の弟かー、よろしくな『直也』」
『直也』、それが俺の役の名前だ。
「よろしくお願いします『将也』兄貴」
「おっ! ちゃんと覚えてんだなー、監督も結構無茶したのにな」
あははと笑う。
あっちも笑うけどやっぱり偽物だ。
初めて会った時から好きになれない。
他の出演者達とは結構楽しく話せるようになっていたが、こいつとだけはなんとなーく上辺だけで接していた。
何か本心を直接みせたくなかった。