boyshな女の子
俺はあー、と言いながら頭を叩く。
「耳になんか入ってるなー」
「聞き間違いじゃないんだけど」
そう言って、いつの間にかブランコから立ち上がっていた水城は、俺の腕を掴む。
だだだだだだって、
俺が可愛い?
かわいい?
What's kawaii?
カワイイッテナンデスカ?
「コラ。 フリーズすんな」
そう言う水城は笑いをこらえているらしく、肩が小刻みに揺れている。
「やっぱりお前は面白いな」
その言葉を頭ん中で反芻する。
そうして気付く新事実。
「はっ! もしかして俺のことからかってる!?」
「からかってない」
——新事実とはならなかった。
「全部言ってやろうか? ———顔も美人の部類に入ると思うし、色白だし、全体的に細いし、美脚だし、胸でかいし……」
「もういいから!」
それ以上は恥ずかしくて聞けるわけない。