boyshな女の子
*四つ葉のクローバー
看病
━━━━━・・・・・
「明日から元々のスタントマンが復活するし、当分弟君出ないから暫くお休みでいーよ」
「本当!?」
「本当ー、学業に専念してくれたまえ」
「……紀田に言われるとムカつく」
「…これは監督からのお達しだ」
「えー」
ブーイングするも、シカトされる。
その様子を見た俺は諦めて、背もたれに身を預ける。
紀田の運転する車の中にはバブル時代の大ヒット曲が流れていた。
何だったか……。
確か何とかクイーンって奴。
紀田はそれに合わせて軽く歌詞を口ずさんでいる。
お前は一体何歳なんだ?
そんな問いが口から出かけたが、なんとか飲み込む。
と、同時に車が減速するのが分かった。
顔をあげると丁度校門の前についたところだった。
「はい、行ってらっしゃーい」
車から降ろされた俺は、にこやかに手を振る紀田に見送られながら学校の門をくぐる。