boyshな女の子
「帰るのは、諦めるか……」
チイッと舌打ちを打ちながら上履きを履くと、ちょうどチャイムの音が聞こえてきた。
今から昼休み。
「帰りたいゎー…」
だが、見張られている俺に帰るという選択肢は(与えられて)ないので、教室に向かう他無かった。
心には重石をのせたままなのに。
あいつと二人きりになった後は、なんでかな、いつも気まずくなる。
俺が悪いのかね?
水城から貰う気持ちを割り切れない俺が。
ずっぱりと振れない俺がいけないのかね。
口からため息がこぼれる。
「答えがない問いは難しいな…」
もう一度ため息をついた俺はまっすぐ前を見て教室へと向かった。