boyshな女の子



「あれ?」


教室の扉を開けたと同時に素っ頓狂な声を上げた俺は一瞬で注目の的になった。


「はっ、えっ、何これ!?」


上ずった変な声が出る。

皆、席についたままでこちらをガン見している。

そして気付く。

俺は一つだけ大きな間違いをしていたということに。


———時計を一時間見間違えるという大きな間違いを。



「まだ4限だと!?」


笑われた。


「お前、昼休みからくんなよー」


野次が飛んできた方を一瞥する。


「……輝はあとで死刑」

「何でっ!? 理不尽!!!」


そんなの知るか。


自分の言ったことには責任を持つのが当たり前だろ?



「矢川さん今日休みじゃなかったの?」


恥かいたと若干顔を赤くしながら席についたところで、古典の教師にそう聞かれる。




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