boyshな女の子





「予定が早く終わって時間ができたので…」


答えながら机の中を弄る。

古文、古文…。

ないんですけど。


「俺の教科書知らん?」


隣の子は首をふるふると横に降りつつ答えた。


「華鈴の? 知らない…」

「普通知らないよな、ごめん」

「と思ったけど、そういや佐野君が持ってったわ」

「あいつ…!!」


ギンッとそっちを睨みつけると輝は教科書に突っ伏して寝ていた。


「完璧に夢の中だね…どうやって起こす?」

「こうすりゃ一発だろ」


そう言って筆箱からシャーペンを取り出す。

そしてダーツのように狙いを定める。


「…いい考えだと思うけど、シャーペンが無残な姿になりそう」

「確かになぁ」


後ろの声に同意してシャーペンを持っていた手を降ろす。


すると肩に手をかけられる。




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