boyshな女の子
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「輝、教科書返せ」
昼休み、必死に髪をはたいてる輝の元に行く。
「机の上にあるからとってけよ!!」
「……そんな舐めた口聞いてもいいと思ってんの?」
俺は一気に声のトーンを下げた。
「とっていってくださいませ!」
「輝…敬語にしたつもりなのかも知れんが、なってないからな?」
「五月蠅いやいっ!!」
「涙目ww」
指差して笑ってやる。
人の教科書に涎垂らした罰だ。
散々笑って、気が済んだところで本題に入る。
「水城って今日休み?」
水城の姿が教室内のどこにも見当たらなかったのだ。
最初の勘違いのせいで、授業が終わるまで水城のことはすっかり頭から抜け落ちていた。
教室行く前はあんなにも水城のことで頭いっぱいだったのにな…。
質問に輝は首をひねる。
「水城? あいつなら、確か——」