boyshな女の子
(何で隠れたよ、俺!!)
俺がいる通路には部屋がない。
あるのは行き止まりのみ。
よってここから俺が出て行くことはかなり不自然。
そのまますれ違えば良かったのに!!!!
そんなこと思っても後の祭りである。
落ち着け、俺。
エレベーターの中の人がどこかの部屋に入るのを待ってから帰ればいいだけだろ!!
そう自分に言い聞かせてじっと待つ。
だが、その音はだんだん近づいてきて、止まる気配がない。
カツ…カツ…カツ…
ゆっくりと時間をかけて歩くその音とは逆に俺の心臓の音は段々と早まる。
そしてその足音が止まった。
心臓の鼓動は最高潮になっていたが、そっと伺う。
そして叫びそうになった口を慌てて押さえる。
(何で水城の部屋にあんな女が…!?)
紅いこれでもかと思うほど高いハイヒールをはいた女が立っていたのは水城の部屋の前だった。
もしかしてあいつの女!?!?
深みにはまりそうになった時、その向こうに足があることに気が付く。