boyshな女の子
「いろいろあんだよ、俺にも」
そこが触れてはいけない領域だと理解した俺はふーんと頷くだけにとどめた。
そんな俺を見て華鈴は皿をとりあげる。
「これ洗ってくるな」
「別にいいよ」
「このまま置いとくと洗うの大変になるけど?」
それは少し嫌だ。
数秒考えた後、お願いしますと頭を下げた。
よろしいと笑って華鈴はまたもやキッチンに消えていった。
それからほんの一二分後に華鈴は戻ってきた。
「……後は、ポカリ飲んで、よく寝てろ。 そしたら勝手に治る」
「アバウトだな……」
そんなもんだって笑う華鈴からはさっきの翳りをもう感じない。
「俺初めて華鈴のこと尊敬したかも」
「それはどう意味だ!?」
「そのまんまだ」
「……オムライス作らなきゃよかった」
ぶつぶつ言いながら華鈴は立ち上がる。
「どうしたの?」
「いや、もう家に帰ろうかとていった……どうかした?」
華鈴の不思議そうな声に俺はハッとする。