boyshな女の子
『そんなの知らねぇよ……いつ事故ったんだ……?』
『………9月25日』
今度は俺がおどろく番だった。
『病院で検査した時にはもう華鈴の記憶は無くなってた……』
口を挟む隙もなく、赤澤は続ける。
『華鈴はそんな状態だったのに病院を抜け出したの。………何でだか分かる?』
俺は横に首を振った。
『あんたに会いに行ったのよ!事故ったすぐ次の日で、まだ安静にしてなきゃダメだったのに!———でも誰もいなかったって私達が見つけた時すごい泣いてた!いつも通り約束してた時間に行ったのに、ってその後ずぅっと元気がなくて………立ち直るのにすごい時間がかかったんだから………』
そこで一度言葉を切ってこっちを睨む。
『この嘘つきの最低野郎っ!!』
赤澤は叫んだあと泣き出してしまった。
『………ちょ、ちょっと待て。…その時俺はこの街にいなかった……』
『…………どうゆうことよ?』
目を真っ赤にさせた赤澤は怪訝そうに眉を寄せた。