boyshな女の子
《華鈴side》
「やっべ!急がねぇと、もう次かよ!?」
俺が足を急がせると、自然と水城の足の動きも速くなる。
「やっぱ無茶だったか……すまん!今からって時に無駄に走らせたりして」
スタート地点に辿り着いてから言うと「大丈夫だろ。周りの奴らへのハンデだ」
とぶっきらぼうに水城は言った。
さっきまでの仮面は一体どこに捨てて来たんだ!?
と急に打って変わって意地悪そうな笑みを顔に浮かべる。
「無駄に走らせたのは事実だから、後でお仕置きだな」
「はぁッ!?」
それってどういう意味だよと尋ね返そうとしたところで、水色のたすきをかけたペアが走って来た。
はい!と言われながら渡されたたすきを水城が肩にかけた瞬間、合図も無しに俺らは走り出した。
ついさっきまでのことを全て忘れて。