Love&CocktailⅡ
彼の逞しい胸に包まれていられる時間。
幸せすぎる……。
「……乃愛…」
ふいに名前を呼ばれ、あたしはパチリと目を開けた。
優人さん?
あたしは起きたのかと思い、彼の胸から顔を上げた。
けど、優人さんは全く起きている気配はない。
むしろ、ぐっすり眠りについている。
なんだ、寝言か。
あたしは再び、彼の胸に顔を埋めた。
「……俺から…離れていかないでくれよ…」
ポツリと低く囁かれた言葉。
優人、さん…?
あたしは眠っている彼の腕に、そっと触れた。
「乃愛……」
スッと彼の閉じられた瞳から、溢れ落ちた涙。
優人さん…
泣いてる……の?