Love&CocktailⅡ
――そして閉店時間を迎え、あたし達は後片付けを済ませる。
「じゃあ乃愛さん、俺お先に失礼しますね」
「うん、お疲れ様〜」
あたしはカウンターテーブルを拭きながら宇野くんを見送った。
確か宇野くん…今日、上田さんとデートって言ってたっけ。
上手くいくといいな、あの2人。
――カランカラン
そんなことを思っていると、バーの扉が開いた。
「乃愛、お待たせ!」
「優人さん!」
そこにいたのはスーツ姿の優人さんだった。
あたしはすぐに歩み寄る。
「お仕事お疲れ様!ありがとね?迎え来てくれて……」
「サンキュ。乃愛のためなら毎日でも迎え来てやるよ」
優人さんは優しく笑うと、あたしの髪を撫でた。
あたしはこの手が大好き。
左手の薬指にはあたしとお揃いのシルバーリング。
骨っぽくて、ゴツゴツしてるのに指は細くて長い。
そしてなにより…大きくて、温かい手。