Love&CocktailⅡ
エンジェル・チップ
「……………」
「乃愛…大丈夫か……?」
優人さんは泣きすぎてぐったりしているあたしの背中を安心させるように撫でる。
あたしは熱くなった瞳を伏せながらコクリと頷く。
「……あの…ね…」
「うん」
あたしはゆっくり彼から離れる。
……言わなきゃ。
「……隣の池田さんが…昼間、挨拶に来たの。でも…その時、いきなり告白されて…断っても諦めないみたいな感じになっちゃって……あたしには優人さんしか見えないのにっ……」
「……………」
優人さんは黙ったまま。
あたしはなんて言っていいか分からなかった。
――グイッ!
するといきなり腕を引っ張られた。
「優っ……んっ!」
言葉を発しようとした瞬間、熱く唇を塞がれた。
あまりにも急だったから、あたしは目をパチパチさせていた。