Love&CocktailⅡ
【side 優人】
「長谷川課長が好きなんです!!」
「……………」
俺は呆れながら窓の外を見た。
「あ、あの…長谷川課長。聞いてますか…?」
「聞いてるよ。何?」
俺は冷たくあしらう。
この女はさっき俺にこう言ってきた。
“作った書類を見て頂きたいんですが…よろしいですか?”
俺はてっきりその言葉の通りだと思い、この資料室までついてきた。
だが、それが大きな間違いだったんだ。
部屋に入るなり、俺を見つめてきて“好きです”と言ってきた。
うちの課の社員は全員、俺が結婚していることを知っている。
ちなみにこの女もインテリアデザイン課なのだから。
左手薬指に指輪まであるのに…なんでこう、言い寄ってくるんだ?
俺は深い溜め息を吐いた。