Love&CocktailⅡ

「……アユミが…乃愛さんにちゃんと謝りたいって言ってるんです。面と向かって今まで謝れなかったからって」




「え……?」




「だから…話、聞いてやってくれませんか?確かにアイツが乃愛さんにしたことは最低なことです。それは俺からも話しました。アイツから謝りたいなんて言ってくるの、凄く珍しいと思うんです、俺。だから……」




宇野くんは少し切なそうな顔をした。




掴まれた手首から宇野くんの熱意が伝わってくる。




本気なんだね…宇野くん。




「……うん、分かったよ。あたし…上田さんと話したい」




あたしはニコッと笑い、宇野くんを見上げた。




すると宇野くんはすぐ笑顔になり、“ありがとうございます”とあたしに頭を下げてきた。














――カランカラン




バーの扉が開いた。




あたしと宇野くんは一斉にそちらを見る。




すると頭上から聞いたことのないような、宇野くんの甘い声が聞こえた。




「アユミ」




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