Love&CocktailⅡ
「海斗……もう終わったの?」
“海斗”とは宇野くんの下の名前だ。
上田さんはカツカツとヒールを鳴らしながらこちらに歩み寄ってくる。
仕事帰りらしく、スーツ姿。
スラッとした綺麗な長い足が魅力的だった。
「あぁ、今片付け終わった所。お前も早かったな」
「えぇ…早めに切り上げてきたから……」
上田さんはチラッとあたしを見た。
あたしはおずおずとお辞儀をした。
「アユミ、あのさ…」
「分かってるわ。ちゃんと話すわよ」
上田さんは宇野くんの言葉を遮るように言った。
そしてあたしに近付いてきた。
あたしより遥かに背が高い上田さん。
嫌だなぁ…ホント気まずい。
まぁ宇野くんがいてくれるから、まだ救いだけど……。