Love&CocktailⅡ
ブロンクス
「えっ…それじゃあ長谷川さんと喧嘩になっちゃったんですか?」
いつも通りのバー。
あたしは隣でグラスを磨く宇野くんに、昨日の話をしていた。
「あ、ちょっともめちゃったけど、もう大丈夫だから!」
宇野くんは納得のいかない顔をした。
「俺が昨日乃愛さんを引き止めてなかったら喧嘩なんてしなくて済んだのに……すみませんでした」
宇野くんは頭を下げてきた。
「う、宇野くんは悪くないよ!上田さんと話すことを決めたのはあたしなんだから!」
あたしは宇野くんの肩にそっと触れた。
「宇野くんのおかげで上田さんともちゃんと話せたし、和解もできたんだよ?逆に感謝してるよ」
どっちにしろ、このままギクシャクするのは嫌だった。
宇野くんが話すチャンスを与えてくれなければ…ずっとこのままだったから。
確かに上田さんに優人さんと別れろって言われた時は傷付いたけど……いつまでもズルズル引きずりたくない。