Love&CocktailⅡ
「ご注文は何になさいますか?」
あたしは笑顔で聞いた。
彼氏さんは不貞腐れたような顔をすると、ゆっくり口を開いた。
「……じゃあ…ブロンクスを」
「かしこまりました」
あたしはお辞儀をし、カクテルを作り始める。
ドライ・ジン、ドライ・ベルガモット、スイート・ベルガモット、オレンジ・ジュースをシェークする。
そしてカクテル・グラスに注ぐ。
「お待たせ致しました“ブロンクス”です」
あたしは出来上がったカクテルを彼氏さんに差し出した。
「ふ〜ん…。見た目は悪くないね」
彼氏さんはグビッとカクテルを飲んだ。
さて…
どう来るかな?
あたしはドキドキしながら待つ。
すると彼氏さんは目を丸くした。
「な、なんだこれ……」
震える声でカクテルを見つめる彼氏さん。
あたしは不思議に思って首を傾げた。