Love&CocktailⅡ
彼氏さんはプルプルと震えている。
彼女さんが不思議に思ったみたいで、彼氏さんのカクテルを一口飲んだ。
「……お…美味し〜〜」
彼女さんは顔をほころばせた。
彼氏さんは悔しそうにあたしを見る。
「申し訳ありません、お客様。彼女……このバーのオーナーバーテンダーなんですよ」
「オ、オーナー!?もしかして“Bar noa”の“noa”って……」
「はい。私、ここのオーナー・長谷川乃愛と申します」
あたしはペコリと頭を下げた。
「う、嘘だろ…」
彼氏さんは真っ青な顔になる。
「おい、帰るぞ!」
「えっ……」
彼氏さんは彼女さんを無理矢理引っ張り、バーを出ていった。
「ふん、いい気味ですよ、アイツ」
宇野くんはフンッと笑った。