お姫様を手に入れろ!
突然の求婚
天堂叶記、今年で20歳。
今年、私はめでたく一般の会社に就職できました。

高卒の私でも、死ぬ気になれば就職できるんだ。
高校の時テストで上位取ってた奴等ざまーみろ。
就職難だと言って大学に行った奴等ざまーみろ。

・・・というように、皆さんお気づきでしょうが、私の性格は大分捻じ曲がっています。
まあ最低な奴とでも覚えといてください。

今日は会社初出勤。
最初は自己紹介とかやるみたい。
そんなんやるから一般会社止まりなんだよバーカ。

・・・ね?
私、性格悪いね。
あはは。

そんな私でも誰にも負けない長所はある。
それは、悪行を許せないところだ。

え、性格悪いのに矛盾してないかって?
心でどんなに悪いことを思っていても、それを行動に出すなんて許せないだけだ。

・・・私だって行動に出さずに我慢してるのに。

私は別に悪を許せないんじゃない。
悪行を許せないんだ。

性格歪んでますねって?
だからさっき言ったじゃん。
それは私にとって褒め言葉だよ。


・・・と。
なんやかんや思っていると、私の会社の目の前でカツアゲを発見した。

いかにもピアス付けて調子乗ってますって奴が、いかにも弱弱しいおっさんにカツアゲをしている。
ゆ、許せん・・・!

私はその場に全力疾走で駆けていく。
そして・・・飛んだ。

「よいっしょぉおおおお!!!」
「ごはっ!!」
私は飛び膝蹴りをカツアゲ犯にぶちまけた。

カツアゲ犯はぶっ飛んで、3メートル先に倒れる。
弱弱しいおっさんは「ひぃっ!」とか言いながら、目の前の会社に走って入っていった。

ここの人だったんだ~。
あ、どうもお世話になります。

すると3メートル先のカツアゲ犯は立ち上がった。
擦り傷だらけで、せっかくのダメージズボンが本当のダメージズボンになっちゃってる。

「てめぇ・・・!」
あ、鼻血出てますよー。

すると男は懐からある物を取り出した。
折りたたみ式のナイフだった。

「ちょっ・・・!」
さすがの私も対応しきれないよ、これは。

「止めなよ、あんた・・・!」
「うるせぇっ!!」
ありゃー、相当キレてるわ。

こりゃあ、絶体絶命だね~。
殺されちゃうかも。


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