月夜の天使
第5夜 月の恋人
『天使の泉』は跡形もなく炎に飲み込まれ、カナン、トオヤ、ミズキの3人はそれぞれ別の孤児院にもらわれていった。
いずみを失ったカナンの悲しみは深く、しばらくはトオヤやミズキに会いに行く気力さえなかった。
しかし、その悲しみも徐々に、徐々に時が癒していく。
傷が癒されていくたびに、カナンは思う。
『自分には何も残っていないのだ』と・・・。
こんな自分が永遠に生きる意味などあるのだろうか・・・。
カナン12歳の春。
「カナン、あなたを養子として受け入れたいという方が来ているわよ」
その女性はカナンに優しく微笑みかける。
「カナン、私はカオリといいます。あなたの一生を見守る。それが私の希望よ」
カナンはその手にすがるしかなかった。
12歳のカナンと25歳のカオリ。
手をつないで歩く二人を月が優しく見つめ続ける。
いずみを失ったカナンの悲しみは深く、しばらくはトオヤやミズキに会いに行く気力さえなかった。
しかし、その悲しみも徐々に、徐々に時が癒していく。
傷が癒されていくたびに、カナンは思う。
『自分には何も残っていないのだ』と・・・。
こんな自分が永遠に生きる意味などあるのだろうか・・・。
カナン12歳の春。
「カナン、あなたを養子として受け入れたいという方が来ているわよ」
その女性はカナンに優しく微笑みかける。
「カナン、私はカオリといいます。あなたの一生を見守る。それが私の希望よ」
カナンはその手にすがるしかなかった。
12歳のカナンと25歳のカオリ。
手をつないで歩く二人を月が優しく見つめ続ける。