月夜の天使
なんだか今日は驚いてばかりいた。

部屋でベッドに横になり、加奈はため息をついた。

須藤十夜からあずかった月見草の写真を手に取る。

きれいに花開いた月見草の写真だった。

実際に目の前で見たことはない。

この写真になんの意味があるのかと妙に気になり裏返した。

写真の裏には小さな字でこう記してあった。

「カナンのために」

カナン?

しばらく考えてみてもその言葉の意味はわからなかった。



トントンと瑞樹の部屋のドアをノックする。

「瑞樹、帰ってる?」

瑞樹の部屋はシーンと静まり返っていた。

瑞樹まだ帰ってないのかな?

「開けるよ」

そう言って瑞樹の部屋を開けてみると、中は真っ暗だった。

「なんだ、まだ帰ってなかったか」

加奈は諦めてドアを閉めようとしたが、ある一点に意識が集中して立ち止まった。



















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