月夜の天使
第7夜 月の永遠
懐かしい記憶。
私が渡瀬加奈として生まれる前から、『天使の泉』は、私を見守ってきた。
ここには、永遠がつまってる。
加奈は一歩一歩自分の足音を確かめるように『天使の泉』の中心へと歩いていく。
ほら、ここにも『永遠』があるね・・・。
『カナン』
絵の中の少女は、月に横たわり加奈に笑いかけるように可憐な笑顔をたたえている。
ミズキがカナンのために描いてくれた絵。
これを見てカナンは何を思ったのだろう・・・。
まるで永遠に愛など知らないような無邪気な微笑み。
いっそ、愛なんて知らないほうが、ミズキは幸せだったのかもしれない・・。
そうすれば、カインの一族を裏切ることもなかった。
カナンのためにあんなに傷つくこともなかった。
「永遠なんて、いらない」
加奈の唇から言葉が溢れる。
「永遠がこんなに苦しいなら、永遠なんていらない」
同時に涙がつたい加奈の頬を濡らす。
「加奈」
温かい大きな腕に包まれ加奈はハッとする。
後ろから抱きしめる温かなその胸。
加奈の耳元で十夜が囁きかける。
「加奈、君が望むなら俺は永遠の命なんてくれてやる」
「十夜?」
「瑞樹の封印はもうすでに解けている。いつ魂を食われてもおかしくない。そして、いつカインに戻ってもおかしくない」
十夜の加奈を抱きしめる腕に力が入る。
十夜・・何を言おうとしてるの?
「加奈、俺の魂の封印を解いて瑞樹に俺の魂を与えれば、瑞樹は月の一族になり、封印も復活する」
私が渡瀬加奈として生まれる前から、『天使の泉』は、私を見守ってきた。
ここには、永遠がつまってる。
加奈は一歩一歩自分の足音を確かめるように『天使の泉』の中心へと歩いていく。
ほら、ここにも『永遠』があるね・・・。
『カナン』
絵の中の少女は、月に横たわり加奈に笑いかけるように可憐な笑顔をたたえている。
ミズキがカナンのために描いてくれた絵。
これを見てカナンは何を思ったのだろう・・・。
まるで永遠に愛など知らないような無邪気な微笑み。
いっそ、愛なんて知らないほうが、ミズキは幸せだったのかもしれない・・。
そうすれば、カインの一族を裏切ることもなかった。
カナンのためにあんなに傷つくこともなかった。
「永遠なんて、いらない」
加奈の唇から言葉が溢れる。
「永遠がこんなに苦しいなら、永遠なんていらない」
同時に涙がつたい加奈の頬を濡らす。
「加奈」
温かい大きな腕に包まれ加奈はハッとする。
後ろから抱きしめる温かなその胸。
加奈の耳元で十夜が囁きかける。
「加奈、君が望むなら俺は永遠の命なんてくれてやる」
「十夜?」
「瑞樹の封印はもうすでに解けている。いつ魂を食われてもおかしくない。そして、いつカインに戻ってもおかしくない」
十夜の加奈を抱きしめる腕に力が入る。
十夜・・何を言おうとしてるの?
「加奈、俺の魂の封印を解いて瑞樹に俺の魂を与えれば、瑞樹は月の一族になり、封印も復活する」