月夜の天使
「私に会いたかったって一体・・・」

「まずは見てもらったほうが早いわね」

そう言って月野いずみは須藤十夜を振り返った。

「十夜」

十夜はうなづき、祭壇の横に立つ。

そして、加奈の方を振り向き目を閉じた。

何が始まるの?

不安と緊張。

十夜から目を離せない。

ヒュッ!

と、突然、月野いずみが火の燃え盛るロウソクを十夜へ投げつけた。

「きゃっ!」

加奈は目を見開き悲鳴をあげた。

一瞬、ロウソクが宙を舞う。

いや、止まった・・・

ロウソクは十夜の顔の前でピタッと止まっている。

十夜の周りに、青い影。

十夜を包み込む青の・・・水だ!

水は宙を流れ音をたてる。

ロウソクの火はたちまち水に包まれ姿を消す。

ゴトン!!

ロウソクが音をたてて床に落ちた。

水も全て床に流れ落ち、

十夜がゆっくりと瞳を開く。

濡れた髪が艶やかに光り、額には水がしたたり落ちる。

「目、目が・・・」

あの瞳、あの瞳は・・・!

青の瞳。

瑞樹と同じ!!












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