月夜の天使
これは・・・いつかの瑞樹がカナンを助けてくれた時の温かい光。

瑞樹、そこにいるのね?

永遠にカナンと一緒にいてくれるのね・・・?

落ちていく意識の中、風がカナンを包み込む。

瞳を開けると、十夜がカナンを抱きしめていた。

二人の周りに竜巻が起き、海の水が巻き上がる。

カナンと十夜は、ふわりと、浮かび上がり、空へと上昇していく。

「十夜・・・」

「言ったろ?離れてなんかやらないって。たとえ相手が月であっても、君は渡さない。永遠に」

十夜の青い光に包まれ、私たちは月へ向かうようにゆっくりと上昇していった。

月の神様。

カナンは、魂が燃え尽きるまで、十夜を、愛しい人を愛し続けます。

そして、あなたの胸元に眠る瑞樹のこと・・・愛し続けてもいいでしょう?


海に浮かぶ純白の月見草。

月は宇宙の彼方から神秘の光を月見草に捧げる。

月見草はゆっくりとその花びらを海に沈め、深い深い海の底へと落ちていく。


カナンの物語の最後を見届けながら・・・・。


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