月夜の天使
第3夜 月の目覚め
「瑞樹…」
止まない雨。止まらない鼓動。
胸の鼓動が瑞樹に聞こえそうな気がするくらい激しく鳴り響く。
「加奈、ごめん。君をずっと目覚めさせないであげたかったけど、もう時間がない」
時間がない?
そう言った瑞樹の顔は苦しげに歪んだ。
「月見草の写真は僕たちの合図だった。敵が目前に迫っている、というね…」
加奈は月見草の写真を思い出した。
裏に書いてあった文字「カナン」。
十夜が私をカナンと呼んだことをうっすらと思い出していた。
「雨・・・。この雨は僕と十夜が作ってる最後の結界だ。奴らは雨の日は絶対に現れない。この雨には僕達ガードのエナジーが込められている。そして、奴らの接近を少しでも遅らせて時間を稼ぐ。君を目覚めさせる時間が必要なんだ」
瑞樹はフっと微かに微笑んだ。
コートを脱ぎ加奈の頭にかぶせる。
「瑞樹、・・・泣いてるの?」
瑞樹の瞳が青く、青く輝く。
雨に濡れた瞳は泣いているようだ。
その時、突然視界が真っ暗になった。
気がつくと、瑞樹に抱き寄せられていた。
かぶせられたコートと瑞樹の胸で何も見えない。
「加奈、僕が護るから」
今、この瞬間だけは、何も怖くない。
瑞樹、好きよ。
ずっとずっと好きだよ。
瑞樹がいれば、何も怖くない。
ほんとうにそう思った。
「瑞樹、全部話して。私なんでもする」
「明日、『天使の泉』に行く。そこで全部話すよ。加奈は知らなければいけない。自分の存在の意味を」
止まない雨。止まらない鼓動。
胸の鼓動が瑞樹に聞こえそうな気がするくらい激しく鳴り響く。
「加奈、ごめん。君をずっと目覚めさせないであげたかったけど、もう時間がない」
時間がない?
そう言った瑞樹の顔は苦しげに歪んだ。
「月見草の写真は僕たちの合図だった。敵が目前に迫っている、というね…」
加奈は月見草の写真を思い出した。
裏に書いてあった文字「カナン」。
十夜が私をカナンと呼んだことをうっすらと思い出していた。
「雨・・・。この雨は僕と十夜が作ってる最後の結界だ。奴らは雨の日は絶対に現れない。この雨には僕達ガードのエナジーが込められている。そして、奴らの接近を少しでも遅らせて時間を稼ぐ。君を目覚めさせる時間が必要なんだ」
瑞樹はフっと微かに微笑んだ。
コートを脱ぎ加奈の頭にかぶせる。
「瑞樹、・・・泣いてるの?」
瑞樹の瞳が青く、青く輝く。
雨に濡れた瞳は泣いているようだ。
その時、突然視界が真っ暗になった。
気がつくと、瑞樹に抱き寄せられていた。
かぶせられたコートと瑞樹の胸で何も見えない。
「加奈、僕が護るから」
今、この瞬間だけは、何も怖くない。
瑞樹、好きよ。
ずっとずっと好きだよ。
瑞樹がいれば、何も怖くない。
ほんとうにそう思った。
「瑞樹、全部話して。私なんでもする」
「明日、『天使の泉』に行く。そこで全部話すよ。加奈は知らなければいけない。自分の存在の意味を」