月夜の天使
目を開けると、加奈は瑞樹に抱きしめられていた。

瑞樹の体から強い光が放射される。

カラスたちは、光にひるみ躊躇した。

ザシュッ!!

斬るような風がカラスたちを襲う。

カラスは、ギャーギャーとわめきたて、夜の闇へ消えていった。

「加奈!瑞樹!大丈夫か!?」

十夜が蒼ざめた様子で駆け寄ってきた。

「瑞樹・・・血出てるよ」

瑞樹の頬から血がしたたり落ちる。

「大丈夫だ。ちょっと切られただけだよ」

瑞樹の優しい笑顔に痛々しい頬の傷。

加奈は、ハンカチを取り出し瑞樹の頬の血をそっとふき取る。

「よかった。傷は浅いみたい」

「加奈、ありがとう。もういいよ」

瑞樹はそっと加奈の手をつかんだ。

・・・な・・に?

この光景前にもどこかで・・・?


『ミズキ・・・カナンは、永遠に・・・』


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