男×女(だんじょ)
門をくぐると自分と同じ制服を着た新入生達がクラス表の前で自分のクラスを確認していた。
「えっと。私のクラスは…B組か。」
その瞬間だった。
ドン!!
誰かにぶつかってしまった
「す、すいません」
私は急いで謝って、ぶつかった女の人の顔を見た。
その女の人はこの世の人と思えないほど、とても美人で身長は175㎝もあるほどのモデル体型だったのだ
しかも、同じ制服を着ているのを見るとこの高校の女子生徒なのだろう
思わず見とれていると
「大丈夫?ごめんなさい。前を見てなくて…。」
その美人さんはシュンと可愛らしく肩をすぼめていた
「え、いや!大丈夫です!私、強いんで!」
私は、そう言うと恥ずかしくなってその場から逃げた。
そのまま何とか自分のクラスに入り、席に着いた。
「あれ~。君はさっきの子でしょ?」
前の席に座っていた、ショートヘアの茶髪の可愛らしい女の子に話しかけられた
「さっき…?何のこと?」
その女の子に尋ねてみる
「ほら。さっき美少女にぶつかってたでしょ?」
ああ。やっと納得
この子に見られてたのか
「うん。ボーとしちゃってて」
と、ぶつかるいきさつについてその子に話した
「へぇ~。でも、顔に傷つけなくてよかったね。あの子この学校の姫だから、顔なんかに傷つけたらファンが黙ってないよ。」
この学校の姫なのか・・・
そりゃあ、あの風貌だったら当たり前だろう
「そ、そうなんだ。」
曖昧に返事をすると
「うん。そういや自己紹介してなかったね。私は前田 明日美。あすみって呼び捨てで良いから」
「私は、松永 杏奈。好きな呼び方で呼んで良いよ。」
それから、担任の先生が来るまでにすっかり明日美と仲良くなってしまった。
友達ができるか不安だったから、ひと安心だ。