春夏秋冬ー恋する彼女の気持ちー
春
春。
出会いの季節。
別れの季節。
あたしは、あなたに出会った。
第一印象は最悪だった。
入学式の終わった廊下で突然ぶつかってきて
「ごめん!」
この一言で済まされた。
おもいっきりしりもちをついて隣にいた親友に笑われた。
しかも、同じクラスであたしの前の席。
あたしは「工藤」
あなたは「桐島」
男女混合の出席番号。
とことん運が悪いと思った。
あなたも気づいて
「さっきはぶつかってごめん。これからよろしく」
って、笑顔で言ってきた。
不覚にもかっこいいと思ってしまった。
「あたしこそよろしく」
ぶっきらぼうにいった。
笑顔でいえないあたしは素直じゃない。
「運命かもね」
親友の冷やかしも
「そんなことない。最悪。」
このとき、きっと一目ぼれをしていたのに...
これまた素直になれないあたし。