Summer memory
「…つめた。」
「おーい。ちーせっ。」
背後から頭を軽くはたかれた。
「何。」
あからさまに嫌な顔をしてちひろを睨む。
「まぁまぁ、そう怖い顔すんな。どうせしばらく会えないんだからさ。」
ちひろは私の頭をぐしゃぐしゃと撫でるとゆっくり私の横に腰を下ろした。
撫でられるの何回目だ。
「…お前さ、寂しくなったらいつでも電話してこいよ。」
真剣なトーンの声に
ハ、と目を開く。
「…さみしいわけないじゃん」
素っ気なく、ちひろに応える。
「はは、やっぱり?
お前ならそう言うと思った。ま、一応だよ、一応…な。」
おどけた声に、ふと顔を上げると
ちひろの目が少し寂しそうに見えた。