Summer memory
でも、うん。
お婆ちゃんの家だからかな
少し気がゆるんでる気がする。
「…そろそろ帰ろうか、ちひろ」
「あ、おぅ。」
ちひろは、余ったお茶を一気に腹の中に流し込んで、立ち上がった。
「あら、もう行くのかい?今日くらい泊まっていきなさいな」
お婆ちゃんは、母を寂しそうに引き止める
「私もそうしたいんですが、明日も仕事ですし、また夏休み中に余裕ができれば来ますね」
「そう…じゃあ、駅まで送るわ」
「いえいえ、いいですよ。じゃあ、また来ますね、ちせをよろしくお願いします。
じゃあね、ちせ、お婆ちゃんの言うことちゃんと聞くのよ?」
「ん。わかってる」
母さんの方を振り向くことはせず外を眺める。
「…いくわよちひろ。」