Summer memory
「じゃあな、ちせ」
ちら、と私を見るちひろ
「おぅ、じゃあな」
お茶を飲みながら、ひらひらと適当に手を振ると
「…お前、言い方が男らしいわ。次会うときには変わってるといいけど。」
なんて、軽い皮肉で返される
…多分変わってるよ
他人みたいにね。なんて思ったけど、口には出さない。
「早くいけ馬鹿兄貴。」
「はいはい。わかりましたよクソガキ。じゃあね、お婆ちゃん。また来る。」
「えぇ、いつでもおいで」
居間から玄関へと、去っていく足音を聞いてちらりと振り向けば、そこには誰もいなくて
不思議とむず痒い気分に苛まれる
なんだこれは。