Summer memory
「ね、お婆ちゃん!畑行こうよ!!
胡瓜とか茄子とか、トマトとか!!私、お婆ちゃんの野菜大好き」
「あら、そう言ってくれると嬉しいねぇ、今夜は夏野菜カレーでも作ろうかしら」
お婆ちゃんの作る野菜は
毎年食べているけど、とても美味しいから、大好きだ
私が野菜好きなのはきっと、お婆ちゃんのおかげだと思う
毎年恒例だったから
お婆ちゃん家には家族用に麦わら帽子だとか、日除けのものが置いてある
帽子掛けにある麦わら帽子のなかに、親父のも掛けてあった
「あぁ、それねぇ…」
それを見て立ちすくんでる私に気付いたお婆ちゃんが、話し掛けてきた
「死んだことにまだ実感がわかなくてね…もぅ捨てなくちゃね」
ス、と親父の麦わら帽子をさらっていく手を引き止めた
「ま、待って。」