Summer memory
駛君に手を引かれ
10分程経ったときだろうか林の先に光が見えてきた
「もうつくよ。」
林を出たところに、駛君の言う、教えたい所があるんだろうか
私たちの足音が響くなかに、それとは違う音が、聞こえるのに気付いた。
「…波の…音?」
私が呟くと、駛君は振り向いて、優しくほほえんだ
「ほら。」
林を抜けたそこに広がるのは草原で、先には一本の木。
「あれ、でも、さっきの波の音って…?」
「来て、すぐわかるから。」