Summer memory
ここは素直に、呼ばれたとおりに、駛君の隣に座る。
座った後も景色は変わらず綺麗で
地平線がまっすぐ見えていた。
「この時間帯になると、丁度、木の影が海の方を向くから、ここから海を見るには一番過ごしやすい時間なんだ」
今は、大雑把に計算して、4時くらいだろう。
「ほんと、潮風もなんか、心地いいね。」
「うん。」
その風に身を委ねるように目を閉じれば
風に木が揺れる音と、波打つ音が自然と耳に入ってくる。
「気に入ったでしょ?」
私に微笑む駛君に私は頷く。
「うん。すごく、気に入ったよ」