Summer memory
「…私はさ、人の優しさとか、全部嘘に見えるんだよね。人と深く関われば、いつかは裏切られたりして悲しくなるだけだし…。駛君も、もぅ16歳?」
「うん。誕生日6月だから。」
「そっかー…私もだけど…なにか変わった?去年から」
「変わってないよ。」
不意に顔を上げて視界に飛び込んできたオレンジ色に心がゆれるのを感じた
「…だよね。じゃ、駛君はもともと大人っぽいんだね。夢はある?将来の。
私、夢が無くて、高校だって、レベルの低いとこ選んで、適当に入って…何をすればいいのか、どうやって生きていこうか、何も、わからないんだ」